こんにちは。
北海道で有名な網走監獄の観光に行こうとして
本物の囚人がいる網走刑務所に到着してしまったことのあるスミ子です。
子どもの付き添い入院。
それはある日突然やってきた。
たった5日間、されど5日間。
今回は、突然始まった5日間の付き添い入院が母親にとってスパルタ修行の場だった記録、第1話です。
付き添い入院で便利だった持ち物リストはこちらから↓
きっかけはよくある「家庭内感染」
2025年の4月末、スミ山家では家族全員が順番に風邪を移し合っていた。
と言っても、この家庭内感染自体はきっとどこの家庭でもよくある現象で、
我が家にとっても特段珍しいことではなかった。
そしてゴールデンウィークには、ポールの実家に田植えの手伝いに行くことになっていた。
子どもたちと私はまだ少し鼻水が残っていたが、解熱して元気さもあったので予定通り出発。
ところが。
ポールの実家に向かう行きの車内で、私が再び発熱し始めた。
道中のコンビニで体温計を買い、熱を測ると37.6℃。
37.5℃あたりって絶妙につらい体温よね
私はこの翌日に受診した耳鼻科で「副鼻腔炎」と告げられるが、
この副鼻腔炎がきっかけで次女に辛い思いをさせる事になるとは、まだ知る由もなかった。
突然の断乳~許されざる耳鼻科~
ゴールデンウィーク真っ只中ということで、近所の病院がほとんど休みだった。
調べると隣の市にある古い耳鼻科が診療していたので、
はあはあ言いながら車で30分のところにある耳鼻科を受診した。
先に言っておくと、私はこの耳鼻科を受診したことを後々まで後悔することになる。
病院でレントゲンを撮ると、鼻のあたりの空洞に膿が溜まっているということで「副鼻腔炎」の診断が出た。
抗生物質を処方するから飲んでください、とその耳鼻科のじじ…おじ様先生が言うので
10か月の娘がいて、授乳中なんですけどどうしたら…?
と聞く。
おじ様先生はデスクに並んでいた、年代を感じる使用感の「薬のガイドブック」をパラパラと見ながらこう言った。
「今回処方する薬はおっぱいに移行するから、治したいんだったら即刻断乳して下さい」
このとき次女のちゃのすけは10か月。
離乳食も3回食に進んでいたし(あんまり食べないけど)、
水筒のお茶を飲んだりもできていたから、数日なら断乳出来ないこともないか…と考えた。
何より熱が下がらないことによる体のだるさ、頭痛、鼻水があまりに辛くて、自分にとって「薬を飲まない」という選択肢がなかった。
とはいえ、断乳することでちゃのすけの栄養が足りなくなったら?とも考えたし、
卒乳するのはまだ先だと思っていたから、このまま卒乳になったら寂しい…とも思った。
なので念のため、薬局でも
この薬は断乳する必要があるんですよね…?
と確認したが、薬剤師さんの答えは「授乳は控えてください」だった。
再びはあはあ言いながら30分運転して帰り、家に着くと娘の髪をなでながら
ゆっくり
ゆっくり
最後の授乳をした。
そして、「乳、しばしの別れ!」と覚悟を決めて抗生物質を飲んだ。
ちゃのすけ、発熱
断乳した次の日、症状が軽快しているのに驚き、喜んだ。
鼻水が緑色じゃない!鼻から息が吸える!!
ところが喜んだのもつかの間。
抱き上げたちゃのすけが熱い。
熱を測ると39℃近くあった。
運悪く、この日から世間が本格的な連休に入ったこともあり、近所の小児科も休みだった。
とはいえこれまでの経験上、発熱は長くても2~3日で下がることが多かったので、初日は様子を見ることにした。
下がらないちゃのすけの熱&乳腺炎の二重苦
ちゃのすけの熱は、3日目になっても下がらなかった。
熱は40℃近く、水分もあまりとってくれない。
頼みの綱だったはずのおっぱいも、薬を飲んでいるのであげられない。
こんなことになるなら絶対薬なんて飲まなかった…
病院がやっていないのでオンライン診療で診察してもらうが、
おしっこが少しでも出ていて呼吸状態も悪くないならまだ様子見でいいと言われた。
近くの薬局に座薬だけ取りに行く。
後悔と無力感でつぶれそうだった。
さらに、突然断乳してしまったので胸の張りがピークを迎えていた。
3時間おきに搾乳してはいたものの、手で搾るだけでは出し切れない母乳が溜まっていた。
胸は石のように硬くて、歩く振動だけで揺れて、あまりの痛みに涙がにじむ。
ゴールデンウィークが明けるまであと1日。
寝返りのたびに痛む胸に保冷剤をあてて、夜通し熱にうなされるちゃのすけの看病をして過ごした。
小児科予約戦争の勝利、そしてまさかの結果
ゴールデンウィークが明けた平日の朝。
激込み必至の小児科のネット予約に打ち勝つため、私は朝6時30分からスマホとにらめっこしていた。
秒針を見ながら、7時ちょうどに予約のボタンを連打。
予約枠の1番目を勝ち取り、雄たけびを上げる。
この日は予約開始からわずか5分で、定員50人の枠があっという間に埋まってしまった。
今思えば、1番目を取れたのは本当に奇跡だった
この日ポールは仕事があったので、2歳の長女ちゃーちゃんと発熱ホカホカのちゃのすけを連れて一人で病院へ向かった。
早速ちゃのすけを診察してもらうと、発熱から5日目ということで念のため血液検査しましょう、と言われる。
待合室ではちゃーちゃんの相手をしながら、いつもどおり座薬だけ出されて帰るんだろうな、なんて考えて自分を落ち着かせていた。
10分後、診察室に呼ばれて部屋に入ると、先生の顔つきが最初とは変わっていた。
「炎症反応を示す数値があまりよくないです。この病院ではこれ以上の検査ができないので、今すぐ大学病院へ行ってください」
さらに先生から衝撃の一言。
「お母さんが飲んでる抗生物質…これは断乳する必要がない薬です」
えええええええええええええええ?!?!
先生は、少なくともあの耳鼻科で見たガイドブックよりはずっと新しい物であろう薬のガイドブックを、実際に私にも見せてくれた。
そこには薬の名称の横に、「授乳期間中の使用…◎」と書いてある。
この5日間は何だったの…?
私もちゃのすけも辛い思いをして、泣きながら絞ったおっぱいを捨てていたのに…
いろんな思いが一気にこみあげて喉にグッと詰まる。
けれど今はやるべきことがある。
はやる気持ちを抑えて紹介状を受け取り、急いで大学病院へ向かった。
精密検査は異常なし。しかし翌日…
大学病院に着くと、すぐに追加の血液検査、各種感染症の検査が行われた。
検査をしている間にもちゃのすけは、段々ぐったりしてきているように感じた。
血液検査の結果が出るまで1時間かかると言われる。
院内のドトールで2歳でも食べられそうなホットドッグと自分用のミラノサンドを買い、
子どもたちが騒いでも迷惑にならないように、外のベンチで急いでご飯を食べさせた。
大好きなドトールのミラノサンドを、飲むように食べたのは初めての経験よ
1時間後、先生の所へ戻るとこう告げられた。
「各種感染症の検査結果は陰性でした。血液検査も、今日結果が分かるものに関しては特に危険な数値はありません」
軽い脱水ではあるものの、何が原因で高熱が引き起こっているのか、今の段階では分からないという。
さらに、大学病院の先生にもこう言われた。
「お母さんが飲んでいる抗生物質、私も断乳の必要性はなかったと思います…」
あまりの悔しさに涙がにじむ。
結局、母親が自分で情報を調べて取捨選択するしかないのよな
診察が終わってすぐ、院内の授乳室に駆け込んでちゃのすけにおっぱいを飲ませた。
熱で苦しそうなちゃのすけの表情が、おっぱいを飲んだ瞬間和らいだのが分かる。
複雑な思いと後悔がぐるぐるぐるぐる頭の中を巡る。
この日は処方された抗生物質を飲ませて、様子を見ることになった。
しかしこの翌日、病院から「即入院してください」と電話がかかってくることになるとは思いもしなかった。
第2話へ続く
ということで、まずは入院前夜までの「入院のきっかけ」の話でした。
ちゃのすけの病気に加えて、私の副鼻腔炎、そして断乳が進行していたのですがこれが本当につらくて…
結局ちゃのすけはこのあと、1歳になると同時に自然とおっぱいを欲しがらなくなってすんなりあっさり断乳したんですが、
どう考えてもこのときの断乳の思い出の方が色濃く残ってますね。
結果論なんでしょうがないっちゃしょうがないんですが、これは一つ言えます。
2度とあの耳鼻科には行かねえええええ!!!!!
2話へ続きます。