こんにちは。
今回は前回に引き続き、次女ちゃのすけが10か月で入院した時のエピソードをコラムにしていきます。
これから付き添い入院が待ち受けるかもしれない親御さんたちの参考になれば幸いです。
まだ読んでいない方はこちら。
付き添い入院に便利だった持ち物はこちらから!
あらすじ
2025年のゴールデンウィーク。
よくある風邪菌がスミ山家を襲い、順番に風邪を移し合って一家全滅した。
そして風邪をこじらせた私スミ子は副鼻腔炎になり、抗生物質を飲むため突然断乳することに。
そのタイミングで生後10か月の次女、ちゃのすけが再び発熱。
頼みの綱だった母乳が飲めないなか、段々ぐったりしていくちゃのすけ。
そして下がらない熱の原因を調べるため、大学病院で精密検査をするも異常が見つからない。
無事に検査も終え、処方された抗生物質をもらってなんとか帰宅したその次の日…
異常なしのはずが?突然の入院宣告
ちゃのすけが検査を終えた翌日。
37.5℃という微熱が続いていたものの、前日の夜に飲んだ抗生物質が効いたのか、ちゃのすけは数日ぶりにご飯をしっかり食べることが出来た。
顔色もだいぶいいしこれで一安心…
そして体調を心配していた両家の祖父母にテレビ電話をしながら、元気な様子を伝えた。
この日は長女、ちゃーちゃんが一時保育に行く予定があったため、保育園まで送迎して朝9時に帰宅。
ポールもたまたま仕事が休みだったため、今日は家でゆっくりしようか、なんて話していると一本の電話がかかってきた。
昨日受診した大学病院からだった。
「昨日、ちゃのすけちゃんの検査を行った医師ですが、採取したちゃのすけちゃんの血液の培養サンプルから菌が見つかりまして…」
???
「血液中に菌が存在するのは危険な状態なんです。今すぐ入院の準備をして病院に来てください。」
入院?!?!?!
横ではちゃのすけがにこにこ笑っている。
熱も下がってきているのに?入院???
親御さんも付き添い入院になりますので、お母さんの荷物も持ってきてくださいとだけ告げられた。
電話を切ると慌てて荷造りをして、わけがわからないまま急いで3人で病院へ向かった。
菌血症の診断を受ける
病院に到着すると、すぐに先生からの説明があった。
昨日採取したちゃのすけの血液サンプルを一通り検査した後、念のため「血液培養検査」に出したという。
血液培養検査では、血液の中に菌がいるかどうかを調べることが出来る。
通常、人の血液には菌が存在しないが何らかの理由で菌が入ってしまうと、菌が体中に巡って危険な状態になることも。
結果が出るまで一晩かかるため、今朝になって結果を確認したところ
「陽性」=血液の中に菌が存在する状態
であることが分かったという。
この病気を「菌血症」といい、このまま治療をしないと菌が全身へ巡って非常に危険な状態になることもあるという。
急に「命にかかわることがある状態」と言われても何が何だか分からなかった。
ちゃーちゃんが生まれてからは約2年半。
子どもの命が脅かされる恐怖を、このときはじめて感じた気がする。
そしてちゃのすけは三日三晩にわたって、抗生物質を点滴で投与する治療をすることになった。
寝る場所・食べるものは自分で確保せよ!サバイバルな入院生活
付き添い入院中、親の寝る場所は?
案内された先は、子ども用の個室だった。

大部屋だったらどうしよう?泣き声とか迷惑じゃないかな?と気になっていたので、少しほっとした。
そう思ったのもつかの間、部屋には少し大きめのベビーベッドとイス、テーブルしかない。
私はどこで寝れば…?
と思っていると、看護師さんにこう言われた。
「入院中はお母さんのベッドはありません。ベビーベッドで添い寝していただくか、貸し出しの簡易ベッドで寝ていただくことになります」
ベビーベッドで添い寝といっても、幅は80㎝ほどしかない。
常に点滴と酸素飽和度計の管をぶら下げているちゃのすけの横で寝るには、勇気と覚悟、そしてだいぶ細身のボディが必要になる。
ノータイムで簡易ベッドの貸し出しを依頼した。
実際の簡易ベッドがこれ。

せ、狭い…!!!
寝返りを打ったら落ちる狭さ。
そして、まだぽたぽた焼きの方が分厚いんじゃないかってくらいの厚みしかない「マットレスっぽいもの」が柵の上に敷いてあるだけだった。
このマットレスを貫通して、柵が体にめり込むのよ
しかし後から調べると、簡易ベッドを貸し出してもらえるだけ恵まれていたらしい。
入院中の5日間で身体はバッキバキになったが、このベッドが付き添い入院で唯一、私の休める場所だった。
親の食事は一切出ない!自力調達の大変さ
さらに看護師さんはこう言った。
「ちゃのすけちゃんには離乳食の入院食が出るんですが、お母さんの分の食事の用意はありません。院内のコンビニで買ってください」
聞くと、食事の調達は自分でしなければいけないが、
- ちゃのすけを病棟から連れ出すことはできない
- ちゃのすけが寝ている間なら買いに行ってもいい
- またはナースステーションにちゃのすけを預けて買いに行く
ということだった。
つまり、ちゃのすけが寝ている間にもやることがあるということ…
やっと寝た!と思っていても、ベビーベッドの落下防止柵を上げ下げする音(クソでかい音がする)で目を覚ます。
あまりに忙しそうな看護師さんたちを見ていると、気軽にお願いもできない。
ところが!!!
絶望していた私の状況を見て、ポールがお弁当を作って差し入れしてくれることになった。
お弁当を受け取りに行く時間でポールとちゃーちゃんの顔を見ることも出来たので、とても嬉しかった。

ちゃーちゃんを子守りしながらのお弁当作りに病院との往復…ポールも大変だったでしょう
このときの嬉しかった気持ちはずっとずっと忘れない。
1日10時間の抱っこ。付き添い入院は体力勝負
さて、環境が大きく変わったちゃのすけはとにかくずっと泣いていた。
寝られなくて泣く。
病院食を食べたくないと泣く。
ベビーベッドから降ろせと泣く。
そして何より私の心を痛めたのは、1日に3回の点滴の時間だった。
冷たい液が身体に入ってくる感覚が嫌なのか、ずっと刺さったままの管が痛いのか…
点滴が行われる1時間、ずっと大絶叫していた。
抱っこひもの中から助けを求めるように、こちらを見てくるちゃのすけを見るのが本当に辛かった…
ベッドで横になったままでは暴れるので、点滴の間はずっと抱っこひもの中。
さらにこの点滴は8時間おきに行われるので、親子ともども夜中の24時に看護師さんに起こされる。
泣き叫ぶちゃのすけをただ抱っこすることしかできないのが悔しくて、退院前夜には私も一緒になって泣いていた。
点滴に加えて、寝かしつけも抱っこひもの中。
入院中は1日に10時間ちゃのすけを抱っこひもの中にいれて、病室の中をうろうろうろうろ歩いていた。
ただでさえたくましい足がむくんでパンッパンになっておった
故に、抱っこひもは付き添い入院を乗り越えた相棒と言っても過言ではない。
より具体的な持ち物リストはこちらから。

まとめ
ということで、入院中のサバイバルエピソードでした。
以前から「付き添い入院は本当に大変だよ」とニュースやネットで見てはいたが、
こんなに付添者に人権がなく、心身共にすり減っていくものなのかと驚いた。
私は個室に通してもらえたし、入院も5日間、ポールがお弁当を届けてくれたりと本当に恵まれていた。
なので長期治療が必要な子どもに付き添う親の気持ちを思うと、ただただ胸が苦しくなる。
そして看護師さんは、私のメンタルケアをしてくれたり、ちゃのすけを預かってくれたり、忙しい中でも本当にたくさんの優しい声をかけてくれた。
夜勤もあって厳しい環境というだけじゃなく、命に向き合う責任ある仕事…
本当に頭が上がらないし、あなたたちのおかげで私たち家族は安心して病院にかかることができます、と強く思った。
次回、付き添い入院時で得た学びや小話!