というそこのあなた。
まさに、数年前の私もそうでした。
社会人1年目、「初任地は北海道ね!(しかも道東)」といきなりの宣告。
大学を卒業するまで22年間、一人暮らしもしたことのなかった私が突然、まったく環境の違う北海道で生活することになりました。
物件について下調べをする中で、暖房器具にも様々な種類があることを知り「結局どれがいいのか全然わかんないよ~~~」と、悩んだ思い出があります。
全国に支社を持つ企業にお勤めの方も、これから北海道への移住を検討している方も、参考になれば幸いです。
こんな方におすすめ
- 北海道や東北地方などの寒冷地で暮らすことになった方
- 寒冷地の物件を探しているけど、どんな暖房器具を選べばいいのか分からない方
目次
冬の北海道で生き抜くためには「暖房器具」が重要
北海道の例年の冬の気温
北海道で暮らして早数年。改めて声を大にして伝えたい。
「北海道はマジで寒い」ということを・・・
まずはこちらをご覧ください。
私、スミ子が暮らす地域の近く「釧路」の年間平均気温です。
出典:https://www.visit-hokkaido.jp/basic/temperature.html
※気象庁 統計1981年~2010年のデータより
10月の頭になれば、夕方の日が暮れるころには気温がガクーーーンと下がってしまうので上着が必須になります。
11月に入れば、夜の気温はマイナスまで下がることも。
そうなると厚着だけでは過ごせません。ついに「暖房器具's」の出番です。
北海道では「暖房はつけっぱなし」がメジャー
北海道では基本的に「一度つけた暖房は春が来るまでつけっぱなし」の家が多いです。
このあと紹介する様々な暖房器具にもよりますが、外気温が氷点下を下回る北海道では家中をムラなく温めるまでにかなりの時間がかかります。
私も関東の実家に住んでいた頃は、
と、「寒くなったら暖房をつける」ことが普通だと思っていました。
しかし北海道で使われる暖房器具は通常のエアコンとは異なり、完全に暖かくなるまでに1時間以上かかることもあります。
ほぼ毎日マイナスの気温である北海道では、家にいるときに暖房をつけたり切ったりするよりも「暖房をつけっぱなし」にしている方が暖房費が安く済むこともあるのです。
北海道で使われる暖房器具の種類と特徴
蓄熱暖房機
北海道で多い暖房器具の1つ。
蓄熱式暖房器の仕組みは、耐火レンガや蓄熱レンガを電力で加熱し、長時間にわたって加熱したレンガの放熱を利用し空間を温める効果があります。
特徴は、加熱を行う際には割安な深夜電力を使いレンガの過熱を行い、
割高な日中の電力料金の時間帯には、蓄熱したレンガで放熱を自然と行うことです。出典:https://enepi.jp/articles/578
蓄熱暖房機の中には特殊なレンガが入っていて、「電力で暖めたレンガを放熱して部屋を暖める」という仕組み。
北海道はオール電化の家が多いため、
「レンガを加熱するときは、電気代が安い深夜に!電気代が割高な時間帯は蓄熱した電気で放熱しちゃお!」という優れものです。
電気だけでじわじわと部屋を暖めることができるので、砂漠のように部屋中の空気がカッサカサに乾くこともありません。
灯油代もかからないし、いいことづくめじゃない!と思いますが、実はデメリットも結構あります。
実際に北海道に来て驚きました。
部屋に入って真っ先に目に飛び込むのは、横幅1メートルを超える蓄熱暖房機。
室内を十分に温めるのに必要な熱量が相当かかるらしく、蓄熱暖房機はそのほとんどが大型なので、一人暮らしの部屋に鎮座している蓄熱暖房機の存在感はかなりのもの。
また、蓄熱するのにかなりの時間がかかるため
という時、蓄熱暖房のタイプにもよりますが、電源を入れてから部屋が温まるまでにまる一日かかることもしばしばあります。
FF式灯油ストーブ
FF式?普通のストーブと何が違うの?と思われる方もいるはず。
FF式ストーブとは「強制吸排気」式のストーブを言い、ストーブから伸びた吸排気管が直接壁に埋め込まれているタイプのストーブを指します。
「灯油の燃焼に伴う室内の結露の心配がなく、使用時に定期的な換気が必要ありません。
換気による室温の低下がなく、安定した室温で快適性が向上します。」出典:https://www.sunpot.co.jp/onkukan/vol1.html
寒冷地独特のストーブということで、はじめて見たときはストーブから伸びる太々した管が壁に突き刺さっているのを見てびっくり。
けれど、いざ使ってみると灯油のガス臭さも全くなく、室内の空気が温まるのもめちゃめちゃ速いためとっても快適。
また、実家で使っていたファンヒーターはストーブの給油ランプが点灯するたび、灯油を保管している物置まで灯油を汲みに行く必要がありましたが(寒いので誰もやりたがらない)。
しかし、北海道の家庭では燃料業者が各家庭を巡回し、家の外に設置されている灯油専用のタンクに定期的に給油を行ってくれます。
マンションやアパートの集合住宅の場合も地下に灯油タンクがあり、そこから灯油を汲み上げて使用した分だけ灯油代が請求される仕組みになっているので、灯油を買いに行く必要もありません。
私の家にはこのFF式灯油ストーブが設置されていますが、スイッチ一つであっという間に部屋全体が暖まる&灯油の補充がないため本当に快適です。
また、北海道はマンションの部屋自体の断熱効果が非常に高いため、2階以上の部屋に住んでいる場合はストーブをつけなくても下の部屋からの暖気でかなり暖まります。
もちろん賃貸の断熱効果は様々かと思いますが、1階にある部屋は冷たい地熱がかなり伝わってきます。
そのため、賃貸マンションやアパートを検討している方は2階以上の部屋を借りることをお勧めします。
床暖房
こちらは暖房器具の定番、床暖房。
寒冷地でもそうでない土地でも関係なく使われることが多いですね。
床暖房は、足元からしっかりと空気を暖めてくれるだけでなく、部屋中の空気が暖まります。
蓄熱暖房機やストーブと違い、部屋のスペースを占めることもないので広々と空間を使えます。
エアコン
こちらも暖房器具のド定番。
エアコン一台あれば寒い冬だけでなく、(数えるほどしかない)暑い夏にも大活躍。
「エアコンは北海道であまり普及していないらしい」という説があるのですが、普及率は道内の地域によって大きく異なるそうです。
エアコンは手早く部屋を暖めることが出来るのがメリットですが、かなり部屋の空気が乾燥しがち。
また、部屋の下の方は暖まりにくいため蓄熱暖房機や床暖房と併用しているご家庭が多いです。
まとめ:家のタイプに合わせた暖房を選ぶべし!
ここまで、北海道で使われている暖房器具の種類やメリット・デメリットについてご紹介しました。
物件によって様々な暖房器具が備え付けられていますが、
・マンション・アパートなのか?
・何階にある部屋なのか?
・一軒家なのか?
・小さいお子さんがいる家庭は安全面に問題がないか?
など、住む人・居住スタイルによってさまざまな選択肢があります。
何にしろとりあえず確かなのは、会社の人でも近所の人でも大家さんでも、「現地の人に使用感を聞いてみること」ですね。(笑)
ちなみに北海道でこたつを使っている人はほとんどいません。
せっかく実家から持ってきたのになあ~~~(使えよ)